disp_156371最近とある人と飲んでいる時に「Aさんって何がしたいんですか?」と聞いたら、「自分の考えたこと(サービス)が世の中に通用したっていうのを実感したい」っていう表現をしてたんですが、うまい表現するなぁと。

ある具体的なモノや情報というのは、受け取り手によって理解のされ方が異なります。例えば「私はゲームが作りたい」「飲食店をやりたい」という表現は具体的なイメージがあるように思いますが、本質的にその人がやりたいことを伝えてくれません。「何のサービスを提供するか?」はもちろん重要なのですが、それは方法論であって、「自分が何をしたいか?」「自分だからできることは何なのか?」というのは、もっと抽象度の高いものであるべきだと思うのです。

ところで、週末の大雪の中、スマホばっかいじっててもいかんと思い、買ってそのままだった「俺のイタリアン、俺のフレンチ」を読みました。

この本を買った理由は3つあって、
  1. ちきりんさんのブログのこのエントリーでこの本が絶賛されてた
  2. Caranoの隣に俺のフレンチがあって、毎日のようにメタクソ並んでるのが理解できなさすぎる
  3. ガイアの夜明けか何かでやってた「安田理論:3倍人を詰め込んで、4倍回転させる」を詳しく知りたい

私は今までテレビ等で見たり聞いたりしていた情報で「俺のシリーズ」の競争優位性は勝手にこうだと思ってました。

安田理論により、お客さんの集積効率を上げ、食材原価を極限まであげられ、結果お客さんには劇的にコスパの高い料理が提供できる

なので、一過性のものでそのうちみんな飽きるのかなあとか、穿った見方もしていました。

しかし、この本を読んだら(当たり前なんですが)もっと根本的な哲学から生まれる競争優位性がありました。考えてみれば、上記のようなことだけで、ミシュランの★付レストランの有名シェフをあんなにも引き抜けるわけがありません。ブックオフの「フランチャイズで世助けに目覚めた」という筆者の哲学が数多く紹介されてましたが、「料理人の不満の中にビジネスチャンスを見つけた」ということが非常に大きいのだと感じました。そして本当に社員を大切にし、「仕組みで勝って人で圧勝する」を実践しているのだと。

このように、周りから見る「ああ、あれってこういうビジネスモデルでしょ?」とうい薄っぺらい認識というのは大体意味がなくて、当事者の自分にしか分からない(or 実行できない)競争優位性を磨いていくことが大事なのですよね。

そういう意味でも、私達がどんな仕事をしたいのか?という自問自答する際には、安易に「●●業界で働きたい」ではなく、なぜそうしたいのか?誰のために何をしたいのか?ということから考えるべきだと改めて思った雪の夜でした。

ところで、前から思ってるんですが、フランチャイズのビジネスって経営哲学の賜物みたいなものだから本当にすごいことですよねえ。・・・と書いていたらタイムリーにフランチャイズの雄、モスバーガーの記事が。

モスバーガー、なぜ好調?マックとの明暗を分けた、商品力とFC店舗力の秘密
http://biz-journal.jp/i/2014/02/post_4150.html